主婦が民泊始めました。Airbnbドタバタ日記

子持ちの主婦が外国人を家に受け入れる、そのドタバタ騒動を綴ります。

メキシコの真面目な好青年Aくん。

こんにちは、家の一室で海外旅行者を受け入れているドタバタ主婦です。


炊飯器が調子悪い・・・なんか横からブクブク湯気が出てくる。

これまだ一年経ってないんですよ。容量も大きくお米が美味しく炊ける、5層赤外線釜だき?だったか複雑な名前のもので割と高かったのです。


レシートあったらまだ交換してもらえるかなー。

と思ったところで思い出しました。

これ一度ゲストに壊されかけたんだった。


去年の夏に1ヶ月ちょっと一人旅できていた、メキシコの好青年A君です。A君は30歳の建築士ですが日本の大学院で学ぶ予定で、その前の準備期間として1ヶ月私の家に泊まったのでした。インテリ学生という雰囲気です。たぶん普通の家に泊まった方が日本語の練習になると思ったのでしょう。ホテル1ヶ月より格段に安いし。

気のせいかラテンアメリカやアジアなど、やや治安が心配される地域からわざわざ日本に来る学生って、割とリッチというか余裕が漂っているというか、富裕層な感じがします。


A君もまさにそのタイプ。ハンサムですが真面目でいかにも好青年!という感じでした。そして、勉強家。


滞在中、私の友人5人が出産祝いを兼ねて遊びに来たときも「hello」と挨拶し、そのまま彼は部屋に行くかと思いきや、リビングに座り続けていました。

カタコトの日本語で頑張ってみんなと会話しようとしていました。

いやいやいや、日本人五人の会話に入ろうったって無理でしょう。と私はびっくりしてしまったのですが、メキシコの辛ーい飴を取り出しみんなに配ったりして、何やら奇妙で和やかな時間を過ごしたのでした。私の友達もみんな人見知りしないオープンなタイプで助かりました。


子どもの出産祝いできてくれたんだけど、なんだかAくんとの国際交流会みたいになったのでした。


A君は妹もあとでメキシコから遊びに来たいということで、妹の分も別の部屋を作って予約してもらいました。

こういう風に、後から一人追加したい、みたいな時には、あらかじめ普段は公開していない部屋を作っておき、予約したい期間だけそこをオープンし、予約後にまたすぐ非公開に設定するという方法をとっています。

直接現地払いーなんてことも考えたのですが、そうすると補償サービスが受けられないので、やはりAirbnbを通すことにしています。私も案外まじめですからねー。


そうして妹さんも泊まりに来ました。妹さんはグラマラスで髪はサラサラロング、さすがハンサムなA 君の妹さんで、美人でした。そして弁護士です。(やはりどうやらリッチな家系)

その時は別の部屋にもゲストが来ていて、夏だったのもあり、みんなで色んなイベントに行きました。

夏祭りにゲームショー、オクトーバーフェスタ。日本の夏を満喫してもらいました。


オクトーバーフェスタでは席の隣の日本人グループに話しかけられました。Aさん兄妹、私たち夫婦できた時です。

隣のグループは日本人女子二人に男子五人くらいで、すでに出来上がっているノリノリの状態でした。


それにしても私はオクトーバーフェスタのフレンドリーなノリは独身時代から好きなのですが、フレンドリーも過ぎると無礼っていうかrudeというか、紙一重のようなそういう時がありますよね?


まだシラフの時に隣からいきなり話しかけてきて、何この人図々しい。酔ったせいにして肩触ってきやがる、とか。


私は夫と赤ん坊もいるので今ではそんなことは皆無で逆に懐かしいくらいですが、A君の妹さんは美人でTシャツもピタピタで谷間がはっきりくっきり!

しかしそれに付け込まれて変な目に合わせるわけにはいかん!!と使命感が湧いてきました。


酔っ払っている日本人男性達は早速「you どこの人」なんて始まっています。

そこに私がずいっと割り込みました。

「○さん美人でしょう?」


「でもなんお仕事しているかわかります?

弁護士なんですよー!若いのにとっても有能な!そしてこの美貌!すごいでしょう」

男性陣「おおー」

私「美人ってだけではなく、」


男性陣「頭も良いんだ〜」


私大満足。

「美人で若くて頭もいいし仕事もできる、そんな人日本にいます?!まったく手の届かない憧れの女性ですよー」

と、とにかく簡単に手が出せないように、褒めちぎり讃えあげました。


これだけでも彼らの中で、ラテン系セクシー姉ちゃんというぱっと見の印象から、真面目で有能な美人弁護士に変換されたことでしょう。

なんていうか、フィリピン、タイやラテンアメリカの女性って軽く見られやすい気がするので、一緒にいる時は絶対嫌な思いをしないように気をつけています。そんな失礼なこと滅多にないけれど、酒の席じゃぁわかりませんからね。


その後そろそろ帰ろうかという時、A君はなんとびっくり、「彼らともっと飲んでいく」といい、私と妹さんは一緒に帰りました。妹さんはその後から私の名前を何度もよく呼んでくれて、距離も近く明らかに親しくしてくれるようになりました。

それまで、私も近寄りがたかったし、少し遠慮していたんですが、オクトーバーフェスタで思いっきり褒め称えたことが好印象だったみたい。笑


やっぱり褒めるって、世界共通で嬉しいことなんですね。

日本人は褒めるの苦手と言いますが、この時から、例えば服が素敵ね、とか、よく似合っているとか、髪型が今日は決まっているね、とか、ゲストに素直に伝えることにしています。


そんなこんなでA君の滞在は思い出深く面白かったです。一緒にお台場も行きました。週末はそれぞれの国の料理を作ることにし、美味しいメキシコの肉料理も作ってくれました。


と、いうことで、Aくんは素敵な男性だったのですが、たまにちょっとぼけていたんです。


やっと本題に入りますが

ある日なんと彼は、炊飯器の中に釜をいれないまま、米と水を入れてしまいました。

そして何も気づかずにスイッチを入れてしまったのです。


私は夫からの事後報告ですが、米がブクブクブクブクと隙間という隙間から外に溢れ出し、床が水だらけになったそうです。


やってしまった・・と神妙にしているAくんを見るともうit's okay しか言葉がありませんでした。

お坊ちゃんってどこか抜けているところがあるんですかね?

それからです。炊飯器の調子が悪くなったのは。


そして帰国当日も、最後の最後に、スーツケースで襖に穴を開けてしまったのです。

「夫が帰ってくるまで待っている、話したいことがある」と神妙にいうから何かと思ったら。

真面目なんですねー。

後ろから裏紙をしたら目立たなくなったので、いいよいいよ、気にしないで、とそのまま帰しました。1ヶ月家にいて、信頼関係ができているとこちらもおおらかな対応になります。


しかしハウスルールには穴を開けたら一万円と付け加えることにしました。